コーヒー豆を焙煎する目的とは?焙煎中に起こっていること

学習

コーヒー豆を加工する工程のひとつに、焙煎というものがあります。

そもそもなぜコーヒー豆を焙煎する必要があるのか?焙煎中には何が起こっているのか?」と
疑問が湧いてきたので、今回は焙煎について調べてみました!

この記事のまとめ
・焙煎をすることで初めてコーヒーらしい香りや味が生み出される。
・焙煎中には、コーヒー豆の構造の変化成分の複雑な化学反応が起こっている。

それでは、細かく見ていきましょう。

焙煎の目的

焙煎とは、水や油を使わずにコーヒーの生豆を加熱する(煎る)工程のことです。

焙煎後のコーヒー豆

焙煎前のコーヒー生豆

左の写真は、私たちが普段見なれている焙煎済みのコーヒー豆です。
一方、右の写真は焙煎前のコーヒー生豆です。

焙煎することにより、コーヒー生豆がコーヒーらしい色に変化します

また、香ばしい香り苦味・酸味などの味がコーヒーの魅力ですが、
焙煎前のコーヒー生豆にはこれらの香りや味はありません。

焙煎することで初めてコーヒーらしい香りや味が生み出されます

焙煎中に起こっていること

焙煎中には、コーヒー豆にどのような変化が起きているのでしょうか。

実は、コーヒー豆の構造的な変化と、コーヒー豆に含まれる成分の化学反応
かなり複雑に起こっています。

ここでは、コーヒー豆の焙煎中に起こっていることを簡潔に説明します。

コーヒー豆の構造的な変化

Image by Arek Socha from Pixabay

コーヒー生豆を加熱することで、緑色の豆が徐々に茶色に変化していきます
色以外には、以下のような変化が順に起こっていきます。


①コーヒー豆の細胞壁が「ガラス状態→ゴム状態」と変化してやわらかくなり、
 コーヒー豆内部の水分が逃げていく。

この段階では、水分が抜けたことによりコーヒー豆の表面にシワが見られるようになります。

②コーヒー豆の細胞壁が「ゴム状態→ガラス状態」と変化して再びかたくなる。
 コーヒー豆内部の水分やガスが膨張し、かたくなった細胞壁を壊して逃げていく。

水分やガスの膨張によりコーヒー豆の体積が大きくなりシワがなくなります。

また、膨張した水分やガスによって細胞壁が壊れる時に
独特な音を鳴らすハゼという現象が起こります。
このハゼは時間をずらして2回起こり、それぞれ1ハゼ2ハゼと呼ばれています。

③細胞内の油分がコーヒー豆の表面に移動し、テカリが出てくる。

コーヒー豆を煎る時間を長くすれば、この段階まで変化が起こります。
いわゆる深煎りコーヒーです。

コーヒー豆に含まれる成分の化学反応

Image by bdyczewski from Pixabay

コーヒー生豆を加熱することで、主に以下の①〜③の化学反応が起こります。
これらの化学反応により、コーヒーらしい色、香り、味に関わる成分がつくられていきます。


①クロロゲン酸の化学変化

クロロゲン酸の構造が一部変化したり、キナ酸とカフェー酸に分解される、という化学反応が起こります。
クロロゲン酸の化学変化はここで終わりではなく、さらに形を変えていきます。

メイラード反応

糖類とアミノ酸との間で化学反応が起こり、最終的にメラノイジンという茶色い色素がつくられます。

カラメル化

メイラード反応と少し似ていますが、
こちらでは糖類どうしで化学反応が起こり、最終的にカラメルという茶色い色素がつくられます。

また、①〜③の化学反応はそれぞれ単独で起こっているわけではありません。

例えば「①の反応の途中でできた成分」と「②の反応の途中でできた成分」が
さらに化学反応を起こす
など、様々な成分が複雑にからみ合っています。

「煎り」の程度の分類

Image by Tim Mossholder from Unsplash

コーヒー豆の焙煎時間が長くなるにつれて、豆の「煎り」は深くなっていきます

煎りの深さについては、以下のような分類をよく目にすると思います。

浅煎り中煎り中深煎り深入り(煎りの浅い順)

アメリカ式の以下の8段階の分類も見かけることがあるかもしれません。

ライトシナモンミディアムハイシティフルシティフレンチイタリアン(煎りの浅い順)

2つの分類方法の関係性については、焙煎所やお店によってまちまちですが
私が調べたかぎりでは以下のように言われていることが多いです。

浅煎り :ライト、シナモン
中煎り :ミディアム、ハイ
中深煎り:シティ、フルシティ
深入り :フレンチ、イタリアン

まとめ

・焙煎をすることで初めてコーヒーらしい香りや味が生み出される。
・焙煎中には、コーヒー豆の構造の変化成分の複雑な化学反応が起こっている。

焙煎は、普段何気なく飲んでいるコーヒーの「コーヒーらしさ」を生み出すためにとても重要な工程ですね!

今後、浅煎りコーヒーと深煎りコーヒーの飲み比べや自家焙煎にもチャレンジしていきたいです。
今回も読んでいただいありがとうございました!

うぃりあむ

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