コーヒー豆を加工する工程のひとつに、焙煎というものがあります。
「そもそもなぜコーヒー豆を焙煎する必要があるのか?焙煎中には何が起こっているのか?」と
疑問が湧いてきたので、今回は焙煎について調べてみました!
この記事のまとめ
・焙煎をすることで初めてコーヒーらしい香りや味が生み出される。
・焙煎中には、コーヒー豆の構造の変化と成分の複雑な化学反応が起こっている。
それでは、細かく見ていきましょう。
焙煎の目的
焙煎とは、水や油を使わずにコーヒーの生豆を加熱する(煎る)工程のことです。
焙煎後のコーヒー豆
焙煎前のコーヒー生豆
左の写真は、私たちが普段見なれている焙煎済みのコーヒー豆です。
一方、右の写真は焙煎前のコーヒー生豆です。
焙煎することにより、コーヒー生豆がコーヒーらしい色に変化します。
また、香ばしい香りや苦味・酸味などの味がコーヒーの魅力ですが、
焙煎前のコーヒー生豆にはこれらの香りや味はありません。
焙煎することで初めてコーヒーらしい香りや味が生み出されます。
焙煎中に起こっていること
焙煎中には、コーヒー豆にどのような変化が起きているのでしょうか。
実は、コーヒー豆の構造的な変化と、コーヒー豆に含まれる成分の化学反応が
かなり複雑に起こっています。
ここでは、コーヒー豆の焙煎中に起こっていることを簡潔に説明します。
コーヒー豆の構造的な変化
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コーヒー生豆を加熱することで、緑色の豆が徐々に茶色に変化していきます。
色以外には、以下のような変化が順に起こっていきます。
①コーヒー豆の細胞壁が「ガラス状態→ゴム状態」と変化してやわらかくなり、
コーヒー豆内部の水分が逃げていく。
この段階では、水分が抜けたことによりコーヒー豆の表面にシワが見られるようになります。
②コーヒー豆の細胞壁が「ゴム状態→ガラス状態」と変化して再びかたくなる。
コーヒー豆内部の水分やガスが膨張し、かたくなった細胞壁を壊して逃げていく。
水分やガスの膨張によりコーヒー豆の体積が大きくなり、シワがなくなります。 また、膨張した水分やガスによって細胞壁が壊れる時に 独特な音を鳴らすハゼという現象が起こります。 このハゼは時間をずらして2回起こり、それぞれ1ハゼ、2ハゼと呼ばれています。
③細胞内の油分がコーヒー豆の表面に移動し、テカリが出てくる。
コーヒー豆を煎る時間を長くすれば、この段階まで変化が起こります。 いわゆる深煎りコーヒーです。
コーヒー豆に含まれる成分の化学反応
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コーヒー生豆を加熱することで、主に以下の①〜③の化学反応が起こります。
これらの化学反応により、コーヒーらしい色、香り、味に関わる成分がつくられていきます。
①クロロゲン酸の化学変化
クロロゲン酸の構造が一部変化したり、キナ酸とカフェー酸に分解される、という化学反応が起こります。 クロロゲン酸の化学変化はここで終わりではなく、さらに形を変えていきます。
②メイラード反応
糖類とアミノ酸との間で化学反応が起こり、最終的にメラノイジンという茶色い色素がつくられます。
③カラメル化
メイラード反応と少し似ていますが、 こちらでは糖類どうしで化学反応が起こり、最終的にカラメルという茶色い色素がつくられます。
また、①〜③の化学反応はそれぞれ単独で起こっているわけではありません。
例えば「①の反応の途中でできた成分」と「②の反応の途中でできた成分」が
さらに化学反応を起こすなど、様々な成分が複雑にからみ合っています。
「煎り」の程度の分類
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コーヒー豆の焙煎時間が長くなるにつれて、豆の「煎り」は深くなっていきます。
煎りの深さについては、以下のような分類をよく目にすると思います。
浅煎り、中煎り、中深煎り、深入り(煎りの浅い順)
アメリカ式の以下の8段階の分類も見かけることがあるかもしれません。
ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアン(煎りの浅い順)
2つの分類方法の関係性については、焙煎所やお店によってまちまちですが
私が調べたかぎりでは以下のように言われていることが多いです。
浅煎り :ライト、シナモン 中煎り :ミディアム、ハイ 中深煎り:シティ、フルシティ 深入り :フレンチ、イタリアン
まとめ
・焙煎をすることで初めてコーヒーらしい香りや味が生み出される。
・焙煎中には、コーヒー豆の構造の変化と成分の複雑な化学反応が起こっている。
焙煎は、普段何気なく飲んでいるコーヒーの「コーヒーらしさ」を生み出すためにとても重要な工程ですね!
今後、浅煎りコーヒーと深煎りコーヒーの飲み比べや自家焙煎にもチャレンジしていきたいです。
今回も読んでいただいありがとうございました!
うぃりあむ
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