コーヒー生豆の精製とは?2つの精製方法の違い

学習

以前、コーヒー生豆の焙煎について記事を投稿しました。

焙煎は、コーヒー生豆を煎ることで色・味・香りなど飲み物としてのコーヒーらしさを生み出す工程です。

では、コーヒー生豆はどのようにして作られるのでしょうか?
今回は焙煎の一つ前の工程にあたる「精製」について調べてみました!

この記事のまとめ
・精製とは、「コーヒーチェリーから種(コーヒー生豆)のみを取り出す工程」のこと。
・精製の方法には、大きく分けて水を使わない「乾式精製」と水を使う「湿式精製」の2つがある。

そもそもコーヒー豆とは

私たちが普段目にするコーヒー豆。

実は、コーヒー豆は大豆や落花生とは違い
コーヒーノキという木に実るコーヒーチェリーの種からできているのです。
知っていましたか?

Image by u_yug5c44wtg from Pixabay

上の写真に映っているのがコーヒーチェリーです。とても鮮やかな赤ですね!
黄色く色づくタイプもあるようです。

ちなみに、コーヒーチェリーは生で食べることもできるそうです。
さくらんぼのように果肉部分は多くありませんが、私はいつか食べてみたいと思いました。笑

コーヒーチェリーの構造

コーヒーチェリーの構造を簡単に説明します。

内側から順番に、以下のような構造になっています。

種子…コーヒー豆になるところ
・パーチメント…種子を覆う殻
・ミューシレージ…パーチメントを覆う、ヌルヌルとした粘りのある構造
・果肉果皮…一番外側の赤い皮の部分

パーチメントやミューシレージは聞きなれない名前だと思いますが、
コーヒー豆を精製する上でとても大事になってきます。

精製とは

Image by Battlecreek Coffee Roasters from Unsplash

ようやく本題です。

精製とは、「コーヒーチェリーから種(コーヒー生豆)のみを取り出す工程」のことです。

先ほどコーヒーチェリーの構造についてお話ししましたが、
精製は「コーヒーチェリーから果肉、ミューシレージ、パーチメントなどを取り除く工程」とも言えますね。

また、コーヒー豆の精製までは原産国で行い、焙煎は日本のような消費国でされるのが一般的です。

精製の方法

ここからは精製の方法について簡単にご紹介していきます。

精製の方法には、大きく分けて乾式精製湿式精製の2つがあり、
以下のような違いがあります。

①乾燥させる工程で、コーヒーチェリーのまま乾燥させる or 中身を取り出してから乾燥させる
②種を取り出すまでに水で洗う工程がある or ない

乾式精製

Image by HAI VAN NGUYEN TONG from Pixabay

乾式精製は、①コーヒーチェリーのまま乾燥させ、②種を取り出すまでに水を使わない方法です。

手順
 1. コーヒーチェリーを乾燥させる
 2. 機械により1. を壊し、種を取り出す

この方法で精製されたコーヒー豆は「ナチュラル」または「アンウォッシュド(unwashed)」と呼ばれます。

湿式精製

Image by PublicDomainPictures from Pixabay

湿式精製は、乾式精製とは違い①コーヒーチェリーの中身を取り出して乾燥させ、
さらに②種を取り出すまでに水を使う方法です。

手順
  1. コーヒーチェリーを乾燥させずに機械にかけ、中身を取り出す。
  ⇨この時、取り出されたものは種+パーチメント+ミューシレージという状態です
  2. 1.を水に浸し、発酵によりミューシレージを除去する。
  ⇨ミューシレージの除去により、種+パーチメントという状態になります
  3. 2.を乾燥させる。
  4. 機械により3.を壊し、種を取り出す。

この方法で精製されたコーヒー豆は「ウォッシュド(washed)」と呼ばれます。

湿式精製は↑で説明した方法が基本ですが、
一部の方法の違いにより、さらに以下のように分けられます。

パルプドナチュラル
  ミューシレージの除去をしないで乾燥させ、そのあと種を取り出す
・ハニープロセス
  ミューシレージを一部だけ残して乾燥させ、そのあと種を取り出す
・スマトラ式
  ミューシレージの除去をしない不完全に乾燥させ、種を取り出した後に乾燥させる

精製の方法にはたくさんのバリエーションがありますね!

精製の方法と風味の関係

Image by Anja from Pixabay

ここまで色々な精製の方法についてお伝えしてきました。

それぞれ乾燥の工程での「種の外側の環境」が違っているのがお分かりかと思います。
「種の外側の環境」の違いが影響して、
乾式精製(ナチュラル)ではコクのある味わい、
湿式精製(ウォッシュド)ではスッキリとした味わいになります。
スマトラ式では特に独特な風味が生み出されるそうです。
(おおよそこのような傾向がありますが、豆の種類によっても異なります)

また私が調べた限り、「コーヒーの風味を調整するために精製の方法を決めている」というよりは
「コーヒー豆の産地の気候に適した精製方法を選んでいる」ようです。

まとめ

・精製とは、「コーヒーチェリーから種(コーヒー生豆)のみを取り出す工程」のこと。
・精製の方法には、大きく分けて水を使わない「乾式精製」と水を使う「湿式精製」の2つがある。

正直、私は10年近くコーヒーを飲んでいたにもかかわらず、
コーヒー豆の正体が何なのか知りませんでした。

コーヒー豆の精製について知ることができ、
これからのコーヒーライフがますます楽しくなりそうです!

今回も読んでいただきありがとうございました。

うぃりあむ

【余談1】

上の写真は、以前THE ROASTERY by NOZY COFFEEさんで
COE1位のニカラグア ロス アルぺス農園を飲んだ時にいただいたカードです。
 ⇨記事はこちら(原宿 THE ROASTERYのコーヒーレビュー

PROCESSING(精製)の項目に、「ナチュラル」の記載がありますね!

当初は意味が分からなかったのですが、
精製のことを勉強した後にカードを見返すと意味を理解することができました。

「分からなかったことが分かるようになる」ってとても面白いです。

【余談2】

本屋さんでコーヒー関連の本を見ていると
コーヒー豆の加工に関して、焙煎以降のことを書いていることが多いように感じていました。
基本的に精製は原産国で行うことが分かったので、
日本では精製に関して書かれた本が少ないことにも納得ですね!

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